生まれ変わった住まい:敷地は同じなのに住空間が驚くほど広々と使えるようになった新築設計
敷地面積:84.52㎡(25.57坪)/延床面積:67.40㎡(20.39坪)
■ Aさんご家族が建替え前の家に引っ越されたのが1997年。小学校に入学したばかりの上のお嬢さんと幼い息子さん。下のお嬢さんはまだ生まれていませんでした。ご夫婦で3人の子どもさんたちを育てた思い出の家です。ただ、横6.5m× 縦 13mの細長い敷地の家は、中心部の階段で南北に間取りが分断されており、玄関から入るとすぐに壁、収納が足りないなど、不便さを感じていました。その上、窓の結露が大変だったそうです。
冬は帰宅すると、コートも脱がずに先ずガスファンヒーターのスイッチを入れるほど寒く、夏はエアコンが効かない暑い家でした。
2020 年、御長女、御長男はすでに家から独立していましたが、夏の暑さ・冬の寒さと結露、そして不便な間取りも解決できるリフォームができないか、オルタスクエアに相談に来られました。
調査と打ち合わせを重ねた結果、既存の骨組のままでは不便な間取りを変えられないことがわかってきました。その時、ご主人より「建て替えの方がいいのでは」と、発案があり、計画が新築設計に方向転換することになりました。
2021年の秋、設計打ち合わせが始まり、 翌年夏に仮住まいに引越し、既存家を解体。 新しい家の完成は、2023年1月でした。
ーそれから2年が経過した今年の初夏に、A邸を訪問してお話を伺いました。-
✿ Aさん『夏の暑さが全然違います。エアコン1台で家中が涼しくなり、冬は帰宅する と暖かく、次女と「すぐにコートが脱げるね」と話しました。吹き抜けは、住宅見学会の時に主人が『いいなぁ』と気に入り、我が家に 取り入れることに。小さな家が狭くならないか心配しましたが、問題なかったです。家の完成後に帰省した長男が、家に入るなりびっくりして1階から2階まで隅々みて廻り、「これがおんなじ家?」と驚いていました。いま、長女のところの孫たちは、4歳のお兄ちゃんと、1歳9ヶ月の双子ですが、孫たちはこの家が大好きです。上のお兄ちゃんは、階段の踊り場コーナーがお気に入りで、ミニカーを集めて自分の世界を作り、下の双子たちは、リビングの木のベンチが遊び場です。玄関から吹き抜けのあるLDK まで長い廊下になりますが、双子の内の女の子は、荷物を引きずりながらこの廊下を何度も往復し、その姿がキャビンアテンダントのようで可笑しいです。 時々帰省する長男は「子供の時にこの家に住みたかったなぁ」と冗談を言いながらロフトを自分のスペースにしたいと考えているようです。』
引き戸玄関のよいところは、扉の開閉が人にぶつからないところ。
玄関収納もたっぷり・すっきり。
玄関からLDKに向けての杉無垢板の廊下。
今でも人が遊びに来ると「木の香りがするね」と言われるそう。
階段と隣接する和室スペース。
午前などに建物全体に風を通したいとき、階段下収納の引き戸を開けておきます。
階段室の窓から明かりが入ってきます。
キッチンは壁面にシンクとガスコンロ。手前に配膳台。壁タイルのおしゃれなパターン「馬踏み(うまふみ)目地(または「破れ目地」)」はAさんの発案。目地の色も黒に。
階段を上った2階の廊下にある図書スペース。ゆっくり読書ができるコーナーベンチが隣接していて、そこからは吹き抜けを見下ろす眺め。さらに階段を上るとロフトに。