エアコン2台で空気循環させる高断熱性能の自然住宅
[写真上]
1階リビングに設置された温風の吹き出し口を見る(目隠しの幕板を取り外した状態)
[写真下]
1階リビングからすのこ廊下を見上げた写真。夏は冷気がここを通して1階へ広がります。
建て替えを当社にご相談いただき、2022年7月に完成・お引き渡しとなったS邸。外皮熱還流率が「ZEH基準」の0.6W/㎡・Kを上回る4.9W/㎡・Kの省エネ住宅です。夏・冬の様子がどうなったのか、お話を聞きに伺いました。
〇 Sさん奥様のお話
これまで住んでいた家は四寸柱で躯体はしっかりしたものだと思っていましたが、建築後に地下車庫を作った影響で、壁に亀裂が入るなど若干気になるところがありました。また、2階に広いベランダがあって重宝したのですが断熱が悪かったのか、真下のリビングの天井に熱気が溜まり、これは少々困りごとでした。
それ以外にも、経年により補修の必要箇所があちらこちらにあって、家の建て替えを検討しました。耐震性や断熱性を解決し、また家全体を冷暖房の効く建物にしたいと考えていました。設計担当の山岸さんと何度も打合せを重ね、私好みの和テイストで木が主役になる家を設計して頂きました。
1階床のエアコンは暖房専用です。床下に暖気を入れえ通風口から温風がふき上がります。作冬、初めての冬を経験しましたが、18℃の設定でも家全体の温度は20℃~22℃くらいになりました。そのほんわかとした温かさは、快適でした。夏は2階のエアコンで、すのこ廊下を通って冷気がリビングに下りてきて、全体を涼しくしてくれます。家全体の温度を下げるため、冷房が苦手な私でも気になりませんでした。
冷気・暖気を循環させるために吹き抜けが必要でしたが、そこが悩みどころでした。2階の部屋を確保しながら循環もできる「すのこ廊下」のアイデアは大成功でした。
本当に良い家を作ってもらったと思っています。
建物の外観や構えてと融合した美しいお庭
黒モルタル仕上げの玄関土間。LDKへの大きな引戸は採光できるようになっています。
キッチンスペースには使い勝手の良い木製作業台や棚が用意されています。
2階西側にある本棚&収納スペースと簀子(すのこ)廊下。ここにある1台のエアコンが夏の冷房用です。
見晴らしの良い東南の角に奥様のお部屋。障子が美しい和室のお部屋に木製家具がなじんでいます。
キッチンスペースは回廊式に洗面スペースと繋がっていて収納力もたっぷり。
障子を全開にすると日差したっぷり。横浜の丘陵越しに港の方まで眺めることができます。こちらの部屋から木製ベランダへとつながります。
心地よい階段を上がってくると、すのこ廊下が各部屋をつなぎます。
《撮影 葛谷舞子》
敷地面積:100.88㎡(坪)
用途地域:第一種低層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率100%)
防火指定:準防火地域
建築面積:55.44㎡(坪)
延床面積:92.74㎡(坪)
外 壁:ケイサンカルシウム板
家族構成:夫婦二人