《撮影　葛谷舞子》

《インタビュー》

　夫の両親の家が空き家となっており、リフォームして移り住むことを考えました。しかし、オルタスクエア管理建築士の坂内さんに調べてもらったところ、耐震性が悪く、また、希望するリフォームをしようとするとかなり費用がかさむことが分かり、建て替えを決めました。
　それから夫と二人でオルタスクエアの住宅見学会に何度か参加。私が行けなくても夫が一人で参加して、取り入れたい工夫を見つけていました。なので、この家のプランは主に夫の希望を設計の堺原さんに受け止めてもらって出来たものです。私の希望は自然エネルギー(太陽光発電・太陽熱)と国産材の無垢の家、使いやすい台所。
　２階のリビングは二人とも一致した意見でした。設計がほぼ出来上がった頃、夫を山の事故で亡くしました。しばらくは、家のことも止まっていたのですが、彼の希望や思いがこめられたこの家を実現することが大事なことと思い、再開したのです。
　３人の子供達は皆、家族を持ち、孫７人、皆この家に遊びに来るのが大好きです。２階のリビングは大正解。夏は風通し良く冷房がいらず、冬はよく陽が入ります。友人からの新築祝いのハンモックをリビングの梁に吊るせて、くつろぐにはもってこいです。「２階リビングは年を取って足腰が弱まってから大変よ」という人もいますが、私には丁度良いトレーニング。山仲間が遊びに来た時には、三角の高い天井を見て「都会の山小屋だね」と誉め言葉を貰いました。
　自然塗料塗りの無垢の杉床は私の希望で、大変気に入っています。「床と柱は節のないものを」とお願いしたことについては、３年が経って「山小屋」風の味わいの良さが分かってくると「節があってもよかったかな」と思ったりします。

敷地面積：112.76平米（34.10坪）

用途地域：第一種中高層住居専用地域（建ぺい率60％、容積率160％）

防火指定：準防火地域

北側斜線：5ｍ＋1.25勾配

建築面積：64.67平米（19.56坪）

延床面積：115.25平米（34.86坪）

外　　壁：ラスモルタル下地＋ジョリパッド

家族構成：単身